ウェルカム!
管理人のMoto次郎です。
前回ご紹介したファビオ・クアルタラロのカッコ良い写真は楽しんでいただけましたか。
コーナーを曲がるときに肩まで路面に当たってしまうという、
常識では考えられない、
現代のMotoGPを象徴するような異次元のシーンだと思います。
普通にバイクレースをイメージすると、
一番分かりやすいのは、こんなシーンですよね。
中上選手 何度見ても美しいコーナーリング!
バイクに乗られない方であっても、
こっそりとマネをしてみた方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
そんな無慈悲なカッコ良さを感じますよね。
あれっ、でも、なんで、ヒザを路面にあててるんですっけ?
カッコ良いからです。
えっ!
もちろん、冗談です。
確かに、当たり前すぎて考えたことないかもしれませんね。
でもでも~
ヒザを路面に当てている理由は、けっこう奥深いです。
意外とマニアックですし、
ライダー個々にも考え方が違う点でもあります。
そのあたりも考えながらレースを見るのも、面白いかもしれませんね。
ってな事で、
今日は、ヒザ擦りに関する内容について、ご紹介します。
ヒザを擦る目的
バイクのレースと言えば、
ヒザを擦りながら華麗にコーナーを走り抜けるシーンが、
やっぱり一番、象徴的ですよね。
ヒザを擦るのは、基本的には、この様な理由です。
- バイクと路面のスキマが狭い
- 重心を下げる
- バイクの傾きを測る
- バイクを支える
- ライダーが安心感を得る
ヒザを擦る理由は、だいたい、このぐらいの理由に分けられると思います。
それでは、1つずつご説明していきます。
1.バイクと路面のスキマが狭い
まず1つめの理由は、
バイクと路面のスキマが狭いからです。
コーナーリング中にバイクは大きく傾きます。
最大で70°とも言われます。
そうすると、
バイクと路面のスキマは、残りの20°しかありませんから、
とっても狭いんです。
その狭いスキマに、
ライダー達の体が挟まれますから、
どうしても、ヒザが路面に当たってしまうという訳です。
特に、長身で足が長いライダーは、
コーナーリング中、とっても窮屈そうに見えますよね。
2.重心を下げるため
2つ目の理由は、
重心を下げるためです。
そもそもライダー達が、
なんで、バイクと路面の狭いスキマに体を入れているのかというと、
それは、ライダーの体をなるべく低い位置にすることで、
重心を下げて、速いスピードでコーナーを曲がれるようにする為なんです。
そして、更に、できるだけ重心を下げるために、
ヒザをなるべく低い位置にしています。
そうすると、自然に、ヒザが路面に当たりやすい体勢になるという訳です。
3.バイクの傾きを測る
3つ目の理由は、
バイクの傾きを測るためです。
ライダー達のヒザについているパッドの名前は、
バンクセンサーと言います。
英語がご堪能なみなさまは、「銀行探知?」と思われたかもしれませんが、
もちろん、違いますww
バンクとは、銀行ではなく、傾きの事です。
ヒザと路面をあてることで、
どのぐらいバイクが傾いているかを知ることができるんです。
4.バイクを支える
4つ目は、
バイクを支えるためです。
バイクの傾きを押さえる「つっかえ棒」のイメージで考えていただくと良いと思います。
タイヤが滑った時に、そのまま倒れてしまわないように支えたり、
足を開いてヒザで路面を押すことで、
バイクの傾きを起こしていくときのきっかけにしているという感じです。
5.ライダーが安心感を得る
5つ目は、
ライダーが安心感を得るためです。
4つ目までご紹介したように、細かく分けると、いろいろな理由があるのですが、
ヒザが路面に当たっているというのは、
単純に、それだけで、ライダーに安心感を与えます。
雨のレースというのは、路面が滑りやすい状態になります。
そのときに、ライダー達が、安心を高めるために、開発されたのが、
こんなバンクセンサーです。
下の写真で、ヒザに付いているバンクセンサーを見比べてみて下さい。
同じライダーの、晴れ(通常時)と、雨のレースの写真です。
バンクセンサーの厚みが全然違うことが分かりますか?
雨のレースのときのバンクセンサーは分厚いですよね。
雨のレースでは、路面が滑りやすくなりますので、バイクがあまり傾けられなくなります。
その為、分厚いバンクセンサーを使って、路面にヒザを当てやすくしているという訳です。
この写真の選手は、
ホルヘ・ロレンソという何度もチャンピオンを獲得している一流ライダーでしたが、
雨のレースが苦手と公言していました。(2019年シーズンを最後に引退)
ヒザを路面に当てて、少しでも安心感を高めたいという思いが伝わってきます。
もちろん、雨のレースでも、通常のバンクセンサーを使うライダーも多いです。
雨のレースでは、長身のライダーが強いなんて事も言われてますので、
ヒザが当たる安心感も関係してるんだろうと思われます。
まとめ
MotoGPライダー達が、ヒザを路面にあててる(当たってしまう)理由
- バイクと路面のスキマが狭いから、自然と当たってしまう
- 重心を下げるために、なるべくヒザの位置を低くするから、自然と当たってしまう
- バイクの傾きを測る (ヒザに付いているパッドの名前は”バンクセンサー”)
- ヒザを「つっかえ棒」の様に使ってバイクを支える
- ライダーが安心感を得る (雨のレースで分厚いバンクセンサーを使うこともある)
以上、MotoGPライダー達がヒザを路面に当ててる理由についてご紹介しました。
本日ご紹介した内容が基本的な理由ではあるのですが、
ライダー個々に少し考え方が違ったり、
バイクやタイヤの進化に合わせて、
考え方や実際のライディングフォームも、変化・進化していくと思われます。
でも、ライダー達の中には、
カッコ良さ重視でライディングフォームを考えている人もいるかも?
なんて考えると、楽しいですよね。
ってな事で、
それでは、
Have a nice MotoGP!
~最後に~
お気軽にコメントなどいただけるとうれしいです。
扱ってほしいテーマなどがありましたら、ぜひ、教えて下さい。
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