【追悼】Moto3ライダー ジェイソン・ディパスキエ選手が予選Q2での転倒が原因で他界されました

ライダー
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管理人のMoto次郎です。

2021年シーズン第6戦イタリアGP開催中に、Moto3ライダーのジェイソン・ディパスキエ選手が他界されました。
心よりご冥福をお祈り致します。

ジェイソン・ディパスキエ選手 プロフィール

#50 ジェイソン・ディスパスキエ 享年19歳(2001年~2021年) スイス出身
(Jason Dupasquier)

MotoGPルーキーズカップを経て、
2020年よりMoto3クラスへ参戦開始
2021年 Moto3クラス 2年目

事故当日~翌日の状況

2021年5月29日 ムジェロ・サーキットで開催されたイタリアGP
Q2セッション中に、その転倒は発生しました。
場所は9コーナー 通称アラビアータと呼ばれる連続した2つの右コーナーの2つめです。
ディパスキエ選手は、ハイサイドのように転倒し、ライダーもバイクもコース上に取り残されました。
そこに、後続の2台のバイクが接触し、3台がからみ大きな事故になりました。
中継映像が遠く、詳しい状況は分かりませんでしたが、ちょうど登りきって下りが始まるような位置でしたので、見通しが悪かったことが事を大きくしたと思われます。
また、Q2セッションが終わる時間帯であったため、限界走行でラストアタックしていた状況でした。

事故発生後、すぐに赤旗が提示され、セッションは中断。
医療スタッフが、現場へ急行します。
1人のライダーは、無事な姿が映し出されます。
もう1人のライダーは、転倒した位置から、移動していたため、恐らく無事であろうことが伝えられます。

次に、ドクターヘリが現場へ到着。
その後、なかなか医療スタッフが動き出さないことから、事の重大さが伝わってきます。
そのまま、10分以上がたったでしょうか、
やっと、ライダーがタンカーで、ゆっくりゆっくりとヘリに移送されます。
ヘリがフィレンツェの病院へ向けて飛び立ち、現場は一旦収束。次のセッションへ向けて、コースの清掃など準備が整えられました。

MotoGPクラスFP4の直前であり、30分以上、MotoGPクラスのライダーたちは、ピットで待機。その様子も断片的に伝えられていましたが、集中力を切らさないような様子が印象的でした。恐らく詳しい情報はピットにも伝えられていなかったであろうことが想像されました。

そして、続報の無いまま翌日の決勝日となりました。

事故に絡んだ2人のライダーは、負傷は有ったものの無事に決勝レースに出場しました。
佐々木歩夢選手と、ジェレミー・アルコバ選手です。

しかし、他の2名のライダーの欠場が伝えられました。
1人は、Moto3 山中琉聖選手、ディパスキエ選手のチームメイトです。
もう1人は、Moto2 トーマス・ルティ選手、ディパスキエ選手と同じスイス出身です。
追加情報は無いものの、状況の悪さを連想させます。

そして、Moto2クラスの決勝レース中に、最悪のニュースが伝えられました。
転倒事故から、丸1日近く生死をさまよったことになります。

その後、MotoGPクラス決勝レース前に、1分間の黙祷が行われました。

メインストレート上、チーム関係者、及び、#50のバイクを中心に、関係者が集結しました。
MotoGPクラスライダー達の神妙な姿、
チーム関係者の中には、山中琉聖選手もいらっしゃいました。

とても長い1分間。

さりげなくチーム関係者をいたわった後、何ごとも無かったかのように、MotoGPライダー達はグリッド上へ並ぶバイクの元へ戻って行きました。
しかし、何ごとも無い訳はなく、動揺していたことを各ライダーたちがレース後に語っています。
精神的な不安定が転倒にもつながったライダーもいたようですが、そんな中でもエキサイティングなレースを見せてくれたMotoGPライダー達には、本当に感服してしまいます。

その後、追悼記事がたくさん出されていますので、是非、追悼の意をこめて、ご覧になっていただきたいです。

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Moto次郎 所感

今回の出来事で、将来ある19歳の青年がお亡くなりになりました。
でも、これはMotoGP史上、初めての出来事ではありません。
レース中のアクシデントで、過去に何人もの命を失っています。

『転倒があるから2輪レースはおもしろい。』
それは、事実だと思います。
転倒があるからこそ、ギリギリの限界があって、そこを突き詰めるライダー達に魅了されるのが、MotoGPだと思います。

ですが、21世紀の今現在『転倒』は『危険』です。
ヘルメット、レザースーツ、エアバッグなどの安全装備、コースレイアウトやランオフエリアなどサーキット自体も、安全面が増々強化される今日ですが、完璧ではありません。

つまり、『転倒』と『バイクレースが』切っても切れない以上、『バイクレースを楽しむ』ということは、『ライダーたちが危険にさらされる』のを楽しんでいることになります。

極論だとは思いますが、『MotoGP』を楽しむということは、そのような下衆な一面があることを、忘れてはいけないと思います。
命の危険がある行為を、スポーツとしてビジネスとしてエンターテイメントとしてよいものなのか、考えさせられます。

MotoGPライダーたちが、「走る意味が分からなくなる」と語っていますが、私にとっても「MotoGPを楽しむ意味が分からなくなる」という感情があふれ出してくる出来事でした。

二度とこの様なことが起こらぬよう願うばかりです。

以上

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